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2014年12月11日 (木)

氷の世界

頭頚部の悪性腫瘍のため在宅療養中の60歳代の男性患者さんのところへ

訪問看護に行ってきたナースかをりんが、みんなに今日の様子を話してくれます。

だいぶ意識レベルが下がってきてウトウト寝ている時間が長くなってこられていた頃でした。

奥さんから、「呼びかけて声が聞こえているんでしょうか?」と聞かれたので

「たぶん聞こえていると思いますよ・・・以前、患者さんの意識がだんだん薄れてきてからも、

部屋でずっと大好きだったビートルズの曲をかけてあげていた御家族もありましたよ」という話をしたのだとか。

そしたら奥さんが一緒にいた娘さん達と、それじゃあ 大好きだった井上陽水をかけようか、という話になって、

・・・でも 「「傘がない」は暗くなるからやっぱりやめよう、とか、

女性ばかりでベッドを囲んで、いろいろとワイワイ賑やかに話をされていましたよー♪。

陽水が大好きで、そのほかにも高橋真梨子とか五輪真弓みたいな、歌のうまい歌手の曲が好きでよく聴いていたのだそうです。

これまで一家の柱として頑張ってこられたサラリーマン人生、そして休日には

奥さんと娘さん達の女ばかりの中で、ひとり陽水を聴いていた・・・なんて姿が想像されます。

 

勤務医の頃には 同じような病衣を着て 病室のベッドに同じように寝ている、

同じような ”病気の患者さん” しか見えていなかったような気がします。

患者さんの持つ”病気”を診ていたのでしょう。

ところが患者さんの家にこちらから訪れると、家族との生活やこれまで歩んでこられた人生、家族の歴史・・・

そういったものが否応なしに見えてきます。

次女さんが、ひっきりなしに顔を触ったり手をなでたり・・・ 

 「もうオモチャのようにしてしょっちゅう主人の顔を触るんですよ」と奥さんが嬉しそうに言われます。

いいじゃないですか。 そんなことができるのも、家族だからこそ。

患者さん本人には声を出すだけの力はもはや残っていないけれど、言われることはわかっておられるようです。

全身状態が悪くなっても聴覚は最期まで保たれることが多いと言われていますが、その通りだなぁと感じることが何度もあります。

「お父さん、笑って!」という娘さんの声には反応されて、表情がすこしニッコリ笑ったようにシワが寄ります。

やっぱり聞き慣れた家族の声の力はすごいと思います。

先のことを考えて時に涙されることもありますが、御家族そろって明るく最期の時間を一緒に過ごされている様子に、

医師も看護師も皆、少しでも良い時間を持ってもらえるために役にたてれば、との思いで訪問しています。

こんなふうに家族そろって最期の時間を過ごせるのも、家だからこそ、でしょう。

通院が難しい患者さんが自宅で安心して過ごせるように、そして

たとえ治らない病気であっても、

自宅で家族に囲まれて、あるいは施設など望みの環境で、少しでも良い時間を過ごしてほしい・・・

患者さんが満足して過ごすことができ、家族も精一杯のことをしてあげられたという充実感をもって、

いつまでも心の中に思い出を刻んでほしい・・・

私達の在宅医療へのこだわりはそこにあります。

思わず、古いやつ引っ張り出して聴いてしまいました♪。 

季節柄は「氷の世界」ですが、気分的には やっぱ 「人生が2度あれば」 が響きます。

                                           ももたろ

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